◆「厚生労働省による再編統合の検討を求める公立・公的病院名公表」について◆

済生会御所病院 病院長 中山正一郎

今回の厚生労働省の公立・公的病院424病院のリスト公表については、あまりにも唐突であり、乱暴な手法であると感じています。その基準となるデータも2年前のものであり、内容についても正確性に欠けるものと言えます。厚労省は地域医療構想の議論を促すのが目的としていますが、『再編統合』、『統廃合』という新聞の見出しにより、当該病院や地域行政および地域住民の皆さまに混乱と誤解を招き、病院や地域に与えた影響は非常に大きく、甚だ遺憾に思っています。

当院も名指しされた病院のひとつですが、平成28年には急性期ベッドを減らし地域包括ケア病棟に機能転換を行いました。また、専門性の高い疾患の患者さんについては、奈良医大附属病院、南奈良総合医療センターといった近隣の高度先進医療や重度急性期機能を担う病院と連携して、急性期治療終了後引き続き入院治療を要する患者さんに安心して入院いただける体制を整え、退院支援を行っている現状です。当院は、奈良県の地域医療構想における『面倒見のいい病院』として地域医療を担っており、今後も引き続き地域住民の皆さまのために、医療福祉を提供していくつもりであり『統廃合』は断じてありえません。

また、今回の報道直後には近隣の皆さまより、当院が地域になくてはならない病院であるとのお声もかけていただき、非常にありがたく感じております。これからも行政ならびに地域と一体となって地域に根差したやさしい医療を提供していく所存です。

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